{
  "level": "N1",
  "date": "2012-07",
  "languageKnowledgeAndReading": {
    "mondai1": [
      {
        "number": 1,
        "question": "珍しいイベントがあると聞いて、広場に<u>群衆</u>が押し寄せた。",
        "answers": [
          "かんしゅ",
          "かんしゅう",
          "ぐんしゅ",
          "ぐんしゅう"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 2,
        "question": "これまでの学説を<u>覆す</u>ような新事実が発見された。",
        "answers": [
          "ひるがえす",
          "くつがえす",
          "まどわす",
          "ゆるがす"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 3,
        "question": "この文書には、当時の生活の様子が<u>克明</u>に記録されている。",
        "answers": [
          "きょくめい",
          "きょうめい",
          "こくめい",
          "こうめい"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 4,
        "question": "窓を開けると、<u>心地</u>よい風が入ってきた。",
        "answers": [
          "こころちよい",
          "こころじよい",
          "ここちよい",
          "ここじよい"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 5,
        "question": "新社長は、これまでの経営方針を<u>踏襲</u>すると述べた。",
        "answers": [
          "とうしょう",
          "とうしゅう",
          "としょう",
          "としゅう"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 6,
        "question": "新しい政権には、医療制度の<u>改革</u>が期待されている。",
        "answers": [
          "かいかく",
          "かいこく",
          "かいがく",
          "かいごく"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      }
    ],
    "mondai2": [
      {
        "number": 7,
        "question": "この本は内容が難しすぎて、初心者には（　　）が高いと思う。",
        "answers": [
          "リミット",
          "ブロック",
          "ノルマ",
          "ハードル"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 8,
        "question": "プランの（　　）はすでに固まっています。",
        "answers": [
          "大筋",
          "大幅",
          "大口",
          "大台"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 9,
        "question": "本書の改訂（　　）は、9月上旬に発売の予定です。",
        "answers": [
          "刷",
          "刊",
          "誌",
          "版"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 10,
        "question": "システムトラブルの原因を徹底的に（　　）し、再発防止に取り組みたい。",
        "answers": [
          "究明",
          "釈明",
          "察知",
          "探知"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 11,
        "question": "カタカナの「ソ」と「ン」は（　　）ので、名前を書くときは気をつけてください。",
        "answers": [
          "悩ましい",
          "疑わしい",
          "まぎらわしい",
          "わずらわしい"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 12,
        "question": "この業者は魚を缶詰に（　　）し、それを海外に輸出している。",
        "answers": [
          "変換",
          "転換",
          "細工",
          "加工"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 13,
        "question": "市役所のロビーで、アマチュア写真家による写真展が（　　）います。",
        "answers": [
          "施されて",
          "催されて",
          "設けられて",
          "挙げられて"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      }
    ],
    "mondai3": [
      {
        "number": 14,
        "question": "山田先生に<u>触発されて</u>、画家の道を志しました。",
        "answers": [
          "指導を受けて",
          "刺激を受けて",
          "援助を受けて",
          "評価を受けて"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 15,
        "question": "試合後のインタビューで、選手たちは<u>すがすがしい</u>表情で質問に答えていた。",
        "answers": [
          "ほっとした",
          "興奮した",
          "さわやかな",
          "真剣な"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 16,
        "question": "その部屋にある家具は、どれも<u>簡素な</u>デザインのものだった。",
        "answers": [
          "クールな",
          "モダンな",
          "ユニークな",
          "シンプルな"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 17,
        "question": "彼の誕生日パーティーの準備を、友人数人と<u>ひそかに</u>進めている。",
        "answers": [
          "こっそり",
          "張り切って",
          "のんびり",
          "急いで"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 18,
        "question": "高橋選手は今年の大会への参加を<u>断念した</u>らしい。",
        "answers": [
          "きめた",
          "あきらめた",
          "ことわった",
          "のぞんだ"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 19,
        "question": "努力をすれば<u>おのずと</u>結果に表れてくる。",
        "answers": [
          "だんだん",
          "はっきり",
          "自然に",
          "絶対に"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      }
    ],
    "mondai4": [
      {
        "number": 20,
        "question": "免除",
        "answers": [
          "会費を2年間滞納すると、自動的に会から<u>免除</u>されます。",
          "3年後にもう一度試験を受けないと、この資格は<u>免除</u>されます。",
          "入学試験の成績優秀者は、入学金が<u>免除</u>になります。",
          "うがいをすれば、風邪の<u>免除</u>になります。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 21,
        "question": "ブランク",
        "answers": [
          "2年の<u>ブランク</u>があり心配だったが、先月から職場に復帰した。",
          "15分ほど<u>ブランク</u>にしませんか。みんな疲れたようだし。",
          "プレゼンの最中は緊張しちゃって、頭が<u>ブランク</u>だったよ。",
          "大事なデータを<u>ブランク</u>してしまった。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 22,
        "question": "怠る",
        "answers": [
          "昨日、会社を<u>怠って</u>映画を見に行ってしまった。",
          "忙しいときは料理を<u>怠って</u>、買ってきた弁当で済ますこともある。",
          "彼はどんな苦労も<u>怠ら</u>ずに、いつも積極的に仕事に取り組んでいる。",
          "成功を勝ち取るためには、日々の努力を<u>怠って</u>はいけない。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 23,
        "question": "見込み",
        "answers": [
          "今日はこれから取引先に打ち合わせに行く<u>見込み</u>です。",
          "周囲の<u>見込み</u>に応えて、すばらしい仕事を成し遂げた。",
          "田中さんは、来週には退院の<u>見込み</u>です。",
          "<u>見込み</u>もしないところで昔の友人に会った。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 24,
        "question": "満たない",
        "answers": [
          "私が生まれたのは、人口500人に<u>満たない</u>小さな村です。",
          "会議資料が3人分<u>満たない</u>から、コピーしてきて。",
          "どうがんばっても、英語力では田中さんに<u>満たない</u>。",
          "当店のサービスについて何か<u>満たない</u>点があればご記入ください。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 25,
        "question": "有数",
        "answers": [
          "この商品は<u>有数</u>ですので、売り切れの場合もございます。",
          "この国は世界でも<u>有数</u>の小麦生産国だ。",
          "会議で反対意見を述べた人は<u>有数</u>のみだった。",
          "いくつもの案を比較、検討し、その中から<u>有数</u>の案を選んだ。"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      }
    ],
    "mondai5": [
      {
        "number": 26,
        "question": "40代（　　）後半となり、わたしもとうとう中高年の仲間入りだ。",
        "answers": [
          "を",
          "へ",
          "も",
          "まで"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 27,
        "question": "昔から「毒も（　　）薬になる」と言われている。",
        "answers": [
          "使うとなると",
          "使おうものなら",
          "使わんばかりに",
          "使いようによっては"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 28,
        "question": "映画『ブラック』は評判通りの面白さで、特に、主人公が（　　）ざる敵におびえる場面は圧巻だった。",
        "answers": [
          "見て",
          "見え",
          "見る",
          "見える"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 29,
        "question": "山田さんがこの絵をいくらで手に入れたのかはわからないが、有名画家の作品であることから考えても、安くない値段で買ったことは（　　）間違いない。",
        "answers": [
          "まず",
          "よく",
          "かりに",
          "なかなか"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 30,
        "question": "お客様、ご希望のホテルが満室でしたので、他のホテルにご変更（　　）のですが…。よろしいでしょうか。",
        "answers": [
          "ねがいたい",
          "なさりたい",
          "くださりたい",
          "になりたい"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 31,
        "question": "この祭りは長い伝統があるので、皆さんにはぜひこれからも（　　）。",
        "answers": [
          "続けていくものです",
          "続けていってほしいものです",
          "続けていくことにしましょう",
          "続けていくことでしょう"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      },
      {
        "number": 32,
        "question": "商品ご使用後の返品対応は（　　）ので、ご了承ください。",
        "answers": [
          "いたしかねます",
          "いたしかねません",
          "さしあげかねます",
          "さしあげかねません"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0
      },
      {
        "number": 33,
        "question": "他人の口座から不正に現金を（　　）、35歳の男が逮捕された。",
        "answers": [
          "引き出したとして",
          "引き出したのに対して",
          "引き出そうとしたとして",
          "引き出そうとしたのに対して"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2
      },
      {
        "number": 34,
        "question": "<p>（本屋で）</p><p>A「あ、この本、面白いよ。」</p><p>B「どんな話?」</p><p>A「主人公と恋人が、親に無理やり（　　）話なんだけど、すごくどきどきするんだ。」</p>",
        "answers": [
          "別れそうになる",
          "別れられそうになる",
          "別れさせそうになる",
          "別れさせられそうになる"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3
      },
      {
        "number": 35,
        "question": "<p>川村「石田さん、ギターがほしいって言っていましたよね。わたしの弟が使っていたギターがあるんですが、よければどうですか。」</p><p>石田「いいんですか。」</p><p>川村「はい。弟に聞いたら、弾いてくれる方がいるなら、ぜひと言っていましたので、どうぞもらって（　　）。」</p>",
        "answers": [
          "やりませんか",
          "やってください",
          "いただきませんか",
          "いただいてください"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1
      }
    ],
    "mondai6": [
      {
        "number": 36,
        "question": " _ ★ _ _ 良心は残っているはずだ。",
        "answers": [
          "どこかに",
          "悪人で",
          "あろうと",
          "どんな"
        ],
        "correctAnswerIndex": 1,
        "correctOrder": [
          3,
          1,
          2,
          0
        ]
      },
      {
        "number": 37,
        "question": "インターネットの功罪といった議論があるが、インターネットはただの手段だ。その価値は _ _ ★ _ ものだと思う。",
        "answers": [
          "人の使い方",
          "使う",
          "決まる",
          "次第で"
        ],
        "correctAnswerIndex": 3,
        "correctOrder": [
          1,
          0,
          3,
          2
        ]
      },
      {
        "number": 38,
        "question": "たばこの値段が _ _ ★ _ ことだ。",
        "answers": [
          "わたしにとっては",
          "上がろうと下がろうと",
          "どうでもいい",
          "たばこを吸わない"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0,
        "correctOrder": [
          1,
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          0,
          2
        ]
      },
      {
        "number": 39,
        "question": "<p>A「見て見て。レストラン『夢』の無料券もらっちゃった。」</p><p>B「いいなあ。ちょっと見せて。なんだ、デザート _ _ ★ _ じゃないか。」</p>",
        "answers": [
          "が",
          "だけ",
          "いう",
          "ただって"
        ],
        "correctAnswerIndex": 2,
        "correctOrder": [
          0,
          3,
          2,
          1
        ]
      },
      {
        "number": 40,
        "question": "1日午後4時ごろ、システムトラブルの影響により、一時メールサービスに障害が発生しました。お客様に _ _ ★ _ お願い申し上げます。",
        "answers": [
          "今後は再発防止に努めて参りますので",
          "深くおわび申し上げますとともに",
          "多大なご不便をおかけしましたことを",
          "引き続き本サービスをご利用くださいますよう"
        ],
        "correctAnswerIndex": 0,
        "correctOrder": [
          2,
          1,
          0,
          3
        ]
      }
    ],
    "mondai7": {
      "passage": "<p>わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして【41】。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行【42】、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴（注）されないだろう。</p><p>1 自分の考えを論理的に表現する【43】。</p><p>2 遠慮せず議論に割りこむ【43】。</p><p>3 他の人とひと味違った発言をする【43】。</p><p>4 五分に一度は聴衆を笑わす【43】。</p><p>この四点は、考えようによっては、外国語を話すよりも難しい。【44】わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。</p><p>こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題【45】と思うのである。</p>",
      "source": "（小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞夕刊による）",
      "notes": [
        "（注）傾聴:真剣に聞くこと。"
      ],
      "questions": [
        {
          "number": 41,
          "answers": [
            "そうであろう",
            "何であろう",
            "そうだろうか",
            "何だろうか"
          ],
          "correctAnswerIndex": 2
        },
        {
          "number": 42,
          "answers": [
            "すれば",
            "しなければ",
            "しても",
            "しなくても"
          ],
          "correctAnswerIndex": 1
        },
        {
          "number": 43,
          "answers": [
            "のだ",
            "点",
            "こと",
            "ところ"
          ],
          "correctAnswerIndex": 2
        },
        {
          "number": 44,
          "answers": [
            "それなら",
            "したがって",
            "このため",
            "なぜならば"
          ],
          "correctAnswerIndex": 3
        },
        {
          "number": 45,
          "answers": [
            "ではないか",
            "であるべきか",
            "ではない",
            "であるべきだ"
          ],
          "correctAnswerIndex": 0
        }
      ]
    },
    "mondai8": [
      {
        "passage": "<p>大人になっても、味覚は変わり続ける。二十代の血気盛んな頃、すき焼き鍋などを囲むと、肉ばかり食べている私を見て、「私たちはもう沢山。年をとると、キノコや野菜が一番おいしい」などと半ば私を、半ば自分自身を諭すかのように言う年長者がいた。なるほど、私も、最近では肉の味のしみた野菜やキノコがおいしい。一方で、肉も相変わらず食べる。年長者だって、肉を食べなくなるわけではない。</p>",
        "source": "（茂木健一郎『食のクオリア』による）",
        "questions": [
          {
            "number": 46,
            "question": "食べることに関して筆者はどのように感じているか。",
            "answers": [
              "若い頃肉が好きでよく食べた人も、年をとると食べ物の好みが変わる。",
              "人は年齢を重ねるにつれて、野菜も肉も食べる量が少なくなってくる。",
              "二十代の頃は肉よりも味のしみたキノコや野菜を好んで食べる人が多い。",
              "年長者は肉と野菜を片寄りなく半分ずつ食べたほうがいいと思っている。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          }
        ]
      },
      {
        "passage": "<p>相手を思いやる気持ち、これも、「あいさつ」の心にちがいありません。</p><p>先年、アフリカへ行ったとき、タンザニアで聞いたことですが、現地の人たちが道で知人とあいさつを交わすとき、おたがいに家族の安否をたずねますが、たとえ自分の家族に病人がいても、それを口に出さないのが暗黙のルールになっているのだそうです。相手の気持ちに負担をかけまいとする心からです。</p>",
        "source": "（川崎洋『ことばの力』による）",
        "questions": [
          {
            "number": 47,
            "question": "暗黙のルールになっているのはどんなことか。",
            "answers": [
              "安否をたずねる際には、ことばを口に出さないこと",
              "あいさつを交わすときは、まず安否をたずねること",
              "あいさつのとき、家族の病気のことは言わないこと",
              "病気の人がいる家族とはあいさつを交わさないこと"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          }
        ]
      },
      {
        "passage": "<p>毎年、花の種を蒔いたり、球根を植えたりする季節が近づくと、種苗を扱う農園から、色刷りのカタログが送られてくる。私には植物を実際に取り寄せて植える土地などはないから、それを眺めて空想庭園を楽しむのである。しかし、それらの誇らしげに咲いている花の見合い写真を次々に見ていくと、連中（注1）が一様にある傾向を有していることに嫌でも気がつく。つまり、すべての花を「品種改良」によって、より大輪（注2）にし、そして何でもかでも八重咲（注3）に造りかえてしまおうという、人間の趣味と努力と一種の意地が<u>そこ</u>に反映しているのである。</p>",
        "source": "（奥本大三郎『虫の宇宙誌』による）",
        "notes": [
          "（注1）連中：ここでは、花のこと",
          "（注2）大輪：花の大きさが普通よりも大きいこと",
          "（注3）八重咲：花びらが数多く重なっていること"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 48,
            "question": "<u>そこ</u>は何を指しているか。",
            "answers": [
              "品種改良されていない花",
              "カタログに掲載されている花",
              "筆者が取り寄せたいと思った花",
              "筆者が空想している庭園の花"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          }
        ]
      },
      {
        "passage": "<p>生きものは危機と遭遇しそれを乗り切ることで進化してきました。人間社会も同じです。環境変化による影響を受けにくくするため、私たちの祖先は集団生活を始め、都市を築き文明を育ててきました。協調が社会の基本にあります。文明の初期段階では、生き延びるため、皆が協調します。しかし、生存が既定のものと思うようになると、自分さえよければいいという自己利益の最大化に走ります。結果は滅亡です。</p>",
        "source": "（日本経済新聞二〇一〇年三月八日付朝刊による）",
        "questions": [
          {
            "number": 49,
            "question": "人間について、この文章からわかることは何か。",
            "answers": [
              "環境の変化に関係なく、協調性より自己利益を追求する。",
              "生命の危機がなくなると、他者との協調性が薄れる。",
              "文明が発展するにつれて、協調性が生まれる。",
              "協調性を育てるために、集団生活をする。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          }
        ]
      }
    ],
    "mondai9": [
      {
        "passage": "<p>定年に備えた企業の研修資料に＜「自分」―「仕事」=?＞とあるのを見て、会社一筋に働いてきた人には厳しい設問だなあ、と思ったことがある。</p><p>事実、会社人間だった大阪の友人はこの設問に「ゼロや」と苦笑して、定年後の近況を話す。</p><p>「女房が出掛けようとすると、ワシ（注）も行くと言うもんやから、すっかり嫌がられてるよ」</p><p>こういう定年亭主を「恐怖のワシも族」と言うのだそうだが、今やさぞかし①<u>「ワシも族」</u>がはびこっていることだろうと思いきや、ニッセイ基礎研究所の「定年前・定年後」という本にこんな調査結果が収められていた。</p><p>数字は省くが、仕事に生きがいを持っていた人のほうが、そうでない人より定年後の社会活動にもずっと生きがいを感じているという内容で、要するに、会社人間ほど定年後も意欲的という分析だ。</p><p>彼らの社会活動の生きがいは、交友関係の広がりによって生まれているようで、植木職人になったり、NPOやボランティア、地域活動に携わっている元銀行員をはじめ、多種多様なケースがいろいろ紹介されていた。</p><p>以前、あれは有力銀行の支店長であったか、定年退職した途端、年賀状も激減するなど一変した状況に喪失感を覚え、自ら命を絶ったという話を聞いたことがある。</p><p>これなどは極端なケースだとしても、＜「会社」のために頑張る価値観は、「社会」のために頑張る価値観と合致するかもしれない＞と分析される先の調査結果などは、会社人間の「その後」に②<u>新しい視点をもたらす</u>ものだろう。</p>",
        "source": "（近藤勝重「しあわせのトンボ：会社人間の『その後』」2007年11月14日付毎日新聞夕刊による）",
        "notes": [
          "（注）ワシ：わたし"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 50,
            "question": "筆者の友人が、＜「自分」―「仕事」=?＞という設問に「ゼロや」と答えたそうだが、それはどのような意味か。",
            "answers": [
              "その友人はこれまで一つの仕事しかしてこなかったので、ほかの仕事は全然できないという意味",
              "その友人は仕事一筋に生きてきたので、これからも家族と一緒に何かしようとは考えていないという意味",
              "その友人は自分のすべてを仕事中心に送ってきたので、定年後は何をすればいいかわからないという意味",
              "その友人は定年後に生きがいを見つけ、会社生活で得られたものはゼロだったと感じているという意味"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          },
          {
            "number": 51,
            "question": "①<u>「ワシも族」</u>とは、どのような人たちのことか。",
            "answers": [
              "奥さんが何かしようとすると、なんでも一緒にしたがる定年後の夫",
              "奥さんばかりでなく、家族の皆からも嫌がられている定年後の父親",
              "会社にはいって行くばかりで、家で奥さんと一緒に何かするのが好きな夫",
              "定年退職後、自ら進んで家事や社会活動に積極的に参加したがる夫"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          },
          {
            "number": 52,
            "question": "②<u>新しい視点をもたらす</u>とは、どのようなことか。",
            "answers": [
              "退職後には多種多様な仕事の選択肢があるから明るいと感じること",
              "会社生活に適応できた人ほど、家での仕事に積極的になれること",
              "会社人間ほど定年後の社会活動に意欲的であるととらえられること",
              "定年に生きがいがない人でも、社会的な活動には期待できること"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          }
        ]
      },
      {
        "passage": "<p>技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。</p><p>それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない（少なくとも、多くの開発技術者はそう思って歯軋り（注1）をしているに違いない）。しかし、レース車であればある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力や他の要素に邪魔されることなく、①<u>どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。</u></p><p>逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。（中略）</p><p>目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカと欧州の両市場で売れる車を作ってくれと営業から要求されたりする。そこでは技術者に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今そうであれ、敵の車が75秒でサーキット（注2）1周していれば、それより速いタイムで走る車をつくらないと意味がないのだ。②<u>出来る、出来ないを論じる余地は全くない。</u>また、お分かりのように、他チームの車の真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。</p>",
        "source": "（田中詔一『ホンダの価値観――原点から守り続けるDNA』による）",
        "notes": [
          "（注1）歯軋りをする：ここでは、悔しく思う",
          "（注2）サーキット：レース用のコース"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 53,
            "question": "①<u>どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができる</u>のは、なぜか。",
            "answers": [
              "創意工夫する力さえあれば売れる車がつくられるから",
              "性能さえよければ採算のとれるレース車がつくられるから",
              "営業力に邪魔されずに価格が勝負できる車がつくられるから",
              "コストなどの要素に影響されずにレースで競える車がつくられるから"
            ],
            "correctAnswerIndex": 3
          },
          {
            "number": 54,
            "question": "②<u>出来る、出来ないを論じる余地は、全くない</u>とは、どのようなことか。",
            "answers": [
              "自社の最高タイムを次のレースで上回ること",
              "技術力に妥協するしかない場合には妥協すること",
              "ライバル社より少しでも速く走れる車をつくること",
              "アメリカや欧州のレースでいい成績をおさめること"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          },
          {
            "number": 55,
            "question": "この文章によると、レース車の開発は、技術者にとってなぜ魅力的なのか。",
            "answers": [
              "高い技術力が示せれば世界で認められるから",
              "自社が持っている技術力の高さを証明できるから",
              "明確な目標に向かって開発だけに集中できるから",
              "開発者としての実力が大メーカーにも評価されるから"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          }
        ]
      },
      {
        "passage": "<p>わが国の文章の書き手として、想像・想像するという言葉をもっともよく使ったのは、おそらく柳田国男であろう。民衆に伝えられる生活の慣習、用具など心に残る手がかりをつうじて、なつかしい古層（注1）へとたどる民俗学の、わが国での開拓者として、柳田にはこの言葉がきわめてたいせつなものであった。</p><p>柳田は、それと空想・空想するという言葉とを区別しようとした。その文章の執筆の時期や、あつかう対象、また語りかける相手のちがいにつれて、柳田の行なった空想・空想すると、想像・想像するの区別には、いかにもはっきりしている際と、そうでない場合がある。しかし後の場合も、空想・空想することをしだいに正確にしてゆけば、想像・想像するにいたるという、段階的なつながりにおいて――あい接し（注2）、境界がぼやけていることはあるにしても、その上辺と下辺には、ちがいがはっきりしている、という仕方で――使われている。</p><p>具体的な根拠のない、あるいはあってもあいまいなものにたって行なう古層への心の動きを、空想・空想するとし、よりはっきりした根拠にたつ、しっかりした心の働きを、想像・想像するとして、柳田は使いわけているのである。そこで時には、ややとか、あきらかにとかいう限定辞をかぶせねばならないのではあるが、空想・空想するには、人間の心の働きとして、マイナス・消極的評価のしるしがついており、想像・想像するは、プラス・積極的評価のしるしがついている。</p>",
        "source": "（大江健三郎『新しい文学のために』による）",
        "notes": [
          "（注1）古層：ここでは、古い時代",
          "（注2）あい接し：互いに接し"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 56,
            "question": "柳田が使う「空想・空想する」と「想像・想像する」にはどのような関係があると筆者は考えているか。",
            "answers": [
              "互いに似ている部分があるが、「空想・空想する」から「想像・想像する」に変わることはない。",
              "全く異なるものであり、「空想・空想する」と「想像・想像する」との境界ははっきりしている。",
              "両極も境もぼやけていて、「空想・空想する」と「想像・想像する」との境界ははっきりしない。",
              "両極は明確だが境はぼやけていて、「空想・空想する」から「想像・想像する」に変わることがある。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 3
          },
          {
            "number": 57,
            "question": "柳田が「空想・空想する」という言葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。",
            "answers": [
              "はっきりしないものを根拠に古い時代を考えるとき",
              "はっきりしたものを根拠に古い時代をたどるとき",
              "現代に残されている手がかりから過去をたどるとき",
              "過去の出来事を手がかりに現代を考えるとき"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          },
          {
            "number": 58,
            "question": "柳田が「想像・想像する」という言葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。",
            "answers": [
              "古い時代の民衆の心を伝えるとき",
              "人間の心の働きを積極的に評価するとき",
              "あいまいなイメージをはっきりさせるとき",
              "明確な根拠にもとづいて心の働きを表すとき"
            ],
            "correctAnswerIndex": 3
          }
        ]
      }
    ],
    "mondai10": [
      {
        "passage": "<p>理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。</p><p>しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①<u>シナジー効果</u>（二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果）であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。</p><p>いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。</p><p>学生のレポートで、②<u>それが一番よくわかる</u>。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、コンペ（注1）に応募する提案書などでもまったく同じである。</p><p>その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。</p><p>（中略）</p><p>読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を弄ばず（注2）、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それでは無味乾燥（注3）の教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③<u>脳に届いても、心に届かない</u>ものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。</p>",
        "source": "（三木光範『理系発想の文章術』による）",
        "notes": [
          "（注1）コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの",
          "（注2）弄ぶ:必要でないのにむやみに使う",
          "（注3）無味乾燥の:味わいがなくてつまらない"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 59,
            "question": "①<u>シナジー効果</u>とあるが、読者にとってのシナジー効果とはどのようなものか。",
            "answers": [
              "記述されている内容から、求めていた以上のことが得られる。",
              "著者が伝えようとしている事柄を理解し、知識を増やす。",
              "読むことを通して事実を知り、不十分な点を自覚する。",
              "文章から足りない知識を補い、疑問を解消する。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          },
          {
            "number": 60,
            "question": "②<u>それが一番よくわかる</u>とあるが、何が一番よくわかるのか。",
            "answers": [
              "読み手に満足感を与えるのは難しいということ",
              "素晴らしい内容でなければ読んでもらえないこと",
              "読む気がしないものは終わりまで読んでもらえないこと",
              "読んですべてを理解してもらうことは不可能だということ"
            ],
            "correctAnswerIndex": 2
          },
          {
            "number": 61,
            "question": "③<u>脳に届いても、心に届かない</u>とはどういうことか。",
            "answers": [
              "技巧には感心しても、内容には共感できない。",
              "行間の意味は理解できても、内容には感動できない。",
              "書き手の姿勢は理解できても、気迫までは感じられない。",
              "内容は理解できても、書き手の気持ちは伝わってこない。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 3
          },
          {
            "number": 62,
            "question": "理系の文章の書き手はどのような姿勢を持つべきだと筆者は述べているか。",
            "answers": [
              "読者の読む目的を分析し、読者に過不足のない情報を与えようとする。",
              "読者を意識しつつ、真摯に解答を求めてその気持ちを伝えようとする。",
              "読者に満足感を与えるよう、妥協せずに完全な解答を提供しようとする。",
              "読者の読む気を最後まで誘うよう、読者の思考過程を深く分析しようとする。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          }
        ]
      }
    ],
    "mondai11": {
      "passageA": {
        "passage": "<p>生態系保全（注1）では、そこに生息（注2）する生物のことを考慮するが、生態系を構成するすべての生物を等しく扱うことはできない。なぜなら、一部の生物を守ろうとすると、必ず不利益を被る生物が生じるからである。すなわち、われわれ人間が何をしても、それによって利益を得る生物と不利益を受けるものが生じることになる。そうなると、生態系を保全する目的で、何らかの活動をするということは、一部の生物種に利益を与えるということになる。</p><p>（中略）</p><p>唯一われわれが言えることは、われわれが人類であるから、「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」ということである。すなわち、「生態系は人類のため」なのである。言い換えれば、人類に利益を与えてくれる生態系を保全すべきなのである。</p>",
        "source": "（花里孝幸『自然はそんなにヤワじゃない――誤解だらけの生態系』による）"
      },
      "passageB": {
        "passage": "<p>保全生物学（注3）の核となる概念である生物多様性は種の存続によって維持される。したがって、保全生物学では、希少種や減少過程にある個体群の保全に関する知識と方法が一つの重要な課題である。（中略）</p><p>しかし、個別の種をそれぞれ保護することは非常に困難である。一つの生態系をとっても、微生物から植物、昆虫、哺乳動物など多くの種が生存しているが、それらの全ての生態を把握して保護することは不可能に近い。さらに、未分類の種や種レベル以下の遺伝的多様性は、個別の種を保護する方法では逆に保護されなくなってしまう恐れがある。そこで、多様な生物の相互関係を含む自然をそのまま保全することが重要になってくる。つまり、生態系を保全することで、そこに含まれる全ての生物を保護するという考え方である。</p>",
        "source": "（高柳敦『琵琶湖研究所所報』1996年第15号による）",
        "notes": [
          "（注1）保全:ここでは、守ること",
          "（注2）生息する：生きる",
          "（注3）保全生物学:生態学の研究分野のひとつ"
        ]
      },
      "questions": [
        {
          "number": 63,
          "question": "生態系を構成する生物の保護について、AとBの文章で共通して述べられていることは何か。",
          "answers": [
            "多様な生物を含む自然全体を保護することが重要である。",
            "多様な生物種を一様に保護していくことは非常に難しい。",
            "生物種を分類して保護することは生物間の差別につながる。",
            "人類に利益を与える生物を保護するべきである。"
          ],
          "correctAnswerIndex": 1
        },
        {
          "number": 64,
          "question": "保護すべき対象について、AとBはどのように考えているか。",
          "answers": [
            "Aは地球生態系を、Bは遺伝的多様性のある種を保護すべきだと考えている。",
            "Aは生態系の全生物を、Bは希少価値のある生物を保護すべきだと考えている。",
            "Aは人類に利益を与える生物種を、Bは個別の種を保護すべきだと考えている。",
            "Aは人類のためになる生態系を、Bは生態系全体を保護すべきだと考えている。"
          ],
          "correctAnswerIndex": 3
        }
      ]
    },
    "mondai12": [
      {
        "passage": "<p>うちの犬は頭がよくないけれどむやみに吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対に噛みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児に噛みついたら事件になってしまう。</p><p>訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、と訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①<u>お宅の坊ちゃんがまだ……</u>。</p><p>十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に降参（注1）したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま四つに組んで（注2）決着がつかないらしい。</p><p>動物は序列に敏感なのだ。</p><p>（中略）</p><p>女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②<u>腕をがぶりと噛みつかれた飼い主がいた</u>。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気で喧嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。喧嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。</p><p>さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭を叩かれ、最下位が確定、平和的に棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。</p><p>動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。親父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは家父長制（注3）を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。</p><p>職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。だが③<u>男女平等をはきちがえてはいけない</u>。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、包容力（注4）の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質で髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。</p>",
        "source": "（猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による）",
        "notes": [
          "（注1）降参する：負ける",
          "（注2）四つに組む：しっかり向き合って闘うこと",
          "（注3）家父長制：男性の年長者が家族を支配するという制度",
          "（注4）包容力：相手を寛大な気持ちで受け止める力"
        ],
        "questions": [
          {
            "number": 65,
            "question": "①<u>お宅の坊ちゃんがまだ……</u>とあるが、「まだ」の後に続く言葉はどれか。",
            "answers": [
              "小学生で、犬の訓練が苦手ですから",
              "序列が犬より上になっていませんから",
              "小学生で、訓練が終わっていませんから",
              "きょうだいの序列を理解していませんから"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          },
          {
            "number": 66,
            "question": "②<u>腕をがぶりと噛みつかれた飼い主がいた</u>とあるが、この犬はどうして噛みついたか。",
            "answers": [
              "この犬は自分の方が飼い主より上だと思っていたから",
              "女性の訓練士に甘やかされて誰にでも噛みついていたから",
              "強い相手に挑まなければ厳しい自然界では生きられないから",
              "この犬は飼い主と自分の序列はまだ定まっていないと思ったから"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          },
          {
            "number": 67,
            "question": "③<u>男女平等をはきちがえてはいけない</u>と言っているが、筆者は「はきちがえる」とどうなると考えているか。",
            "answers": [
              "共働きが普通になり、父親が家事を分担するようになる。",
              "父親と母親の家庭内での役割が混乱し、問題が生まれる。",
              "職場で女性がもっと管理職に進出できるような環境になる。",
              "家父長制が復活して戦前の社会のように人が序列化される。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          },
          {
            "number": 68,
            "question": "この文章で筆者が最も言いたいことは何か。",
            "answers": [
              "犬には訓練によって家庭内での序列を教え込むことが必要である。",
              "父親と母親の役割を明確にするために、家父長制を復活すべきである。",
              "家庭の問題を解決するためには動物と同じく序列化が必要である。",
              "親は家庭でそれぞれ父性や母性にもとづく役割を果たすべきである。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 3
          }
        ]
      }
    ],
    "mondai13": [
      {
        "passage": "<p><b>東京都カルチャー会館　4月開講の講座</b></p><p><b>①やさしい英語　4月8日開講</b></p><p>簡単な単語で伝えられるようになるための「聞く・話す」を中心とした講座。中学校レベルの英語で充分。講師はボランティアの日本人通訳者。事前に見学をすることができます。</p><p>・毎週火曜　18:30〜20:00　12回　16,000円（教材費別）</p><p>・講師　　青木一郎（東京友だちつくろう会代表）</p><p><b>②外国人としっかり学ぶ英語　4月10日開講</b></p><p>日本人講師では物足りない。でも、いきなり英語だけの会話についていく自信はない。そんな人にぴったりの日本語が話せる外国人講師によるコース。毎回講師と新聞記事を読みながら読解力を身につける。事前に見学をすることができます。</p><p>・毎週木曜　18:30〜20:00　15回　18,000円（教材費別）</p><p>・講師　　フレンド外国語学校講師</p><p><b>③初めての英語　　4月12日開講</b></p><p>決まり文句をまずレクチャー。あいさつや買い物などでよく使う表現を紹介。聞くことから入り、日常会話を勉強しながらやさしい文法も学ぶので身につきやすい。英語での実務経験の長い日本人講師が丁寧に教える。事前に見学をすることができます。</p><p>・毎週土曜　12:00〜13:30　10回　14,000円（教材費別）</p><p>・講師　　石川健二</p><p><b>④ステップアップの英語　　4月13日開講</b></p><p>相手に細かなニュアンスまで伝えられる英語力を身につけたいと思っている方におすすめ。中級以上の文法を習得した方対象。イギリス人講師とさらに複雑なテーマで会話をします。雑誌や新聞などの読解もあり。必ず事前に見学をして、ご自分のレベルに合っているかどうかを確認してからお申し込みください。</p><p>・毎週日曜　10:00〜12:00　12回　20,000円（教材費別）</p><p>・講師　　キャサリン・スミス</p><p><b>◎受講の申し込み</b></p><p>受講の予約、申し込みはお電話で。お電話での申し込み後、受講される講座の案内と振り込み用紙をお送りします。所定日までにお近くの銀行から受講料を振り込んでください。会館の窓口では、申し込みおよび現金の取り扱いはいたしません。</p><p>館内には4月からの講座の総合パンフレットを用意しています。気軽にお立ち寄りください。</p><p>申し込み/問い合わせ先:03-444-7890　（平日9:00〜17:00 ）</p>",
        "questions": [
          {
            "number": 69,
            "question": "会社員の山田さんは英語で書かれた新聞を読めるようになりたいと思っている。週末は出張が多いので平日しか通えない。山田さんに合う講座はどれか。",
            "answers": [
              "①",
              "②",
              "③",
              "④"
            ],
            "correctAnswerIndex": 1
          },
          {
            "number": 70,
            "question": "④の講座を受講するためにはどのような手続きが必要か。",
            "answers": [
              "見学をしてレベルを確認してから、電話で受講を申し込む。",
              "会館に行って総合パンフレットをもらい、窓口で申し込む。",
              "電話で受講申込書を送ってもらい、会館に行って申し込む。",
              "事前見学の予約をし、見学後、郵便局で受講料を振り込む。"
            ],
            "correctAnswerIndex": 0
          }
        ]
      }
    ]
  },
  "instructions": {
    "mondai11": "ＡとＢの両方を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、１・２・３・４からひとつ選びなさい。",
    "mondai13": "右のページは、東京都カルチャー会館で4月から開講される英語講座の案内の一部である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、１・２・３・４から一つ選びなさい。"
  }
}
